CAJ Insights: SWOW
SWOWはCAJではとても大きなイベントです。聞いたことがありますか?何だと思いますか?参加したことがありますか?どうしてやるのかな、と思ったことがありますか?
「壁のない学校(School Without Walls - SWOW)」に参加した4人のCAJ職員に、今年のSWOWがどんなだったか、そして、CAJの教育目標の達成にどのうように貢献しているかを聞いてみました。
キース・ケレス(9年生)
CAJでは、教育目標を自分たちで達成するように指導しています。9年生のSWOWでは、その中で「協力して成果を生み出す」ことと「優れたコミュニケーションを身につける」ことの二つに焦点を当てています。9年生は新しく始まった高校生活にまだ慣れていないので、上級生が行くような旅行には出かけず、キャンパス内で1週間を過ごします。グループ分けにして、普段はあまり交流のない生徒同士に、あえて接し合う機会を作るようにします。生徒たちは1週間、いろいろな競争に勝つことやチャレンジを乗り越えることを通して、相手には秀でた才能と長所があることを認め、自分には改善すべき点があることを認めます。もちろん、楽しむことが大切です。生徒たちは映画を見たり、ゲームをしたり、友達同士で遊んだりする時間を持ちますが、実はその時間に成長する機会がたくさん盛り込まれているのです。
体力勝負のハイキングから、頭脳勝負の「Ant Attack!」のゲームまで、いろいろな活動を通して生徒たちは、機会を見てリーダーシップをとるようになります。自然にそれができる生徒もいれば、時間を要する生徒もいます。しかし全体的に互いの親近感が増し、お互いや自分のことをより良く理解していきます。様々な話し合い、アクティビティ、そして自己反省を経て、ほとんどの生徒たちが、親が誇りに思うようなリーダーとなる第一歩を歩み出しています。私は自分がそのプロセスの一部になれたことをとても嬉しく思っています。
シックステン 倫子 (10年生)
10年生のSWOWには、サイクリング、水族館鑑賞、ハイキング、キャンプファイヤー、ボートなど、多様なプロジェクトや野外活動が用意されています。中でも、特に興味深いのは参加型ゲームです。用意されている数種のゲームは、どれも協調、協力が求められます。それに加えて、例えば自然と頭上に上がっていく手を下げなければ始まらないような、本能的条件反射に反する動きが要求されるものもあります。意識的に解決法を探り、それを実行しなければ終了しないものばかりです。当初はルール解説の単純すぎる内容に拍子抜け気味であった生徒たちは、実際にうまくできないもどかしさの中で格闘し続けなければなりません。意識を傾けながらも根気を要する、フラストレーション溢れる時間です。私たちは、日常においてそのようなもどかしさにどれほど遭遇し、その状況をどのように解決しようとしているのだろうかと考えされられる場面でもあります。ゲームの中に象徴される今まで気がつかなかった自分の傾向、立場の異なる相手への理解をもつこと、そしてどのように相手に伝わるコミュニケーションをとるべきか等、このようなセッティングでこそ閃くアイディアや発見が必ずあります。生徒たちが次々と提案する戦法のバラエティの広さに驚かされると同時に、個々のユニークさを再確認する機会になりました。
ライアン・ポッター(11年生)
ウィルダネス(野生体験)キャンプ。一日中ハイキングしたあと、やっとキャンプ場に到着し、さあ、夕食だと思っても、家での夕食のように食事が出てくるわけでもなく、コンビニに行って買うこともできません。だんだん暗くなる中で、みんなで頭を付き合わせて食事を準備するのための指示を読み、何をすべきか話し合います。スイス・アーミーナイフを使って人参とジャガイモを切れる人は誰か、仕事を均等に振り分けるにはどうしたらいいか、一つ一つ決めていきます。バックパックの奥底へと姿を消した夕飯の材料を皆が探します。ウィルダネスキャンプでは「協力して成果を生み出す」こと以外に選択の余地はありません。協力して一緒に作業する、それができなければ食べられないのです。「誠実に人や物を大切にする」という教育目標もここでは別の次元の意味を持ちます。誰が夕飯のお替りを食べるかを決めるとき、「誠実に人をいたわる」目標は、疲れて元気が出ないチームメートに多く食べてもらうことで実践できます。それはとりもなおさず、朝キャンプ場をきれいにすることともつながることなのです。
翌朝、リーダー役の生徒たちは、学んだばかりのオリエンテーション・スキルを駆使して、仲間を次のキャンプサイトまでリードします。でもほんのちょっとした手違いで、無駄に体力を使う羽目になったり、ちゃんと寝れないようなところで野宿するようなことになったりしかねません。リーダーは、先生や他のチームメンバーから、知恵を借りたりアドバイスを受けたりできます。それによって正しい選択をし問題解決の糸口をつかめます。しかし、それは求めて初めて与えられること。きちんと聞いて、実行して初めて意味があります。リーダーたる者は、求める時は「効率的コミュニケーション能力」を持って尋ね、アドバイスを受けるときは「責任感を持って学ぶ者」として聴き、実行するときは「分別をわきまえて思考する者」としてリードします。それが成功の秘訣です。
ウィルダネスキャンプのような体験型学習は、CAJの教育目標はただ壁に貼ってあるだけの標語でも宿題の課題でもないことを、生徒たちが身をもって理解できる機会を提供しています。目標達成に向かって段階を経ながら、生徒たちは真のリーダーとなるべく成長していきます。
クリスティーナ・ジョンソン(12年生)
12年生のSWOWでは、生徒たちは日本の歴史を学び、2011年の津波で被害を受けたコミュニティーで奉仕をします。高山とその周辺で活動しますが、生徒たちは石巻ののぞみプロジェクトや女川のめぐみプロジェクトのような団体がどのように多くの家族に希望をもたらし、再建へお手伝いをしてきたかを目にします。この旅行では、生徒たちは実質的な奉仕をコミュニティーで行います。めぐみプロジェクトで着物の糸抜きをしたり、畑でジャガイモの収穫を手伝ったりしますが、どんな小さなことでも、助けを必要としている人にはそれが大きな喜びをもたらすことを生徒たちは学びます。生徒たちはまた、JCGIのクラスで学んだ会津藩校日新館や、会津若松城などの史跡を見学し、教科書だけでは学ぶことのできない歴史を実感することができます。生徒たちが共にこのような経験を分かち合うことにより、クラス内でのつながりを深めるだけでなく、彼らのこれからの人生においても周りの人に奉仕をしたいという思いを強めていくのです。
SWOWはCAJではとても大きなイベントです。聞いたことがありますか?何だと思いますか?参加したことがありますか?どうしてやるのかな、と思ったことがありますか?
「壁のない学校(School Without Walls - SWOW)」に参加した4人のCAJ職員に、今年のSWOWがどんなだったか、そして、CAJの教育目標の達成にどのうように貢献しているかを聞いてみました。
キース・ケレス(9年生)
CAJでは、教育目標を自分たちで達成するように指導しています。9年生のSWOWでは、その中で「協力して成果を生み出す」ことと「優れたコミュニケーションを身につける」ことの二つに焦点を当てています。9年生は新しく始まった高校生活にまだ慣れていないので、上級生が行くような旅行には出かけず、キャンパス内で1週間を過ごします。グループ分けにして、普段はあまり交流のない生徒同士に、あえて接し合う機会を作るようにします。生徒たちは1週間、いろいろな競争に勝つことやチャレンジを乗り越えることを通して、相手には秀でた才能と長所があることを認め、自分には改善すべき点があることを認めます。もちろん、楽しむことが大切です。生徒たちは映画を見たり、ゲームをしたり、友達同士で遊んだりする時間を持ちますが、実はその時間に成長する機会がたくさん盛り込まれているのです。
体力勝負のハイキングから、頭脳勝負の「Ant Attack!」のゲームまで、いろいろな活動を通して生徒たちは、機会を見てリーダーシップをとるようになります。自然にそれができる生徒もいれば、時間を要する生徒もいます。しかし全体的に互いの親近感が増し、お互いや自分のことをより良く理解していきます。様々な話し合い、アクティビティ、そして自己反省を経て、ほとんどの生徒たちが、親が誇りに思うようなリーダーとなる第一歩を歩み出しています。私は自分がそのプロセスの一部になれたことをとても嬉しく思っています。
シックステン 倫子 (10年生)
10年生のSWOWには、サイクリング、水族館鑑賞、ハイキング、キャンプファイヤー、ボートなど、多様なプロジェクトや野外活動が用意されています。中でも、特に興味深いのは参加型ゲームです。用意されている数種のゲームは、どれも協調、協力が求められます。それに加えて、例えば自然と頭上に上がっていく手を下げなければ始まらないような、本能的条件反射に反する動きが要求されるものもあります。意識的に解決法を探り、それを実行しなければ終了しないものばかりです。当初はルール解説の単純すぎる内容に拍子抜け気味であった生徒たちは、実際にうまくできないもどかしさの中で格闘し続けなければなりません。意識を傾けながらも根気を要する、フラストレーション溢れる時間です。私たちは、日常においてそのようなもどかしさにどれほど遭遇し、その状況をどのように解決しようとしているのだろうかと考えされられる場面でもあります。ゲームの中に象徴される今まで気がつかなかった自分の傾向、立場の異なる相手への理解をもつこと、そしてどのように相手に伝わるコミュニケーションをとるべきか等、このようなセッティングでこそ閃くアイディアや発見が必ずあります。生徒たちが次々と提案する戦法のバラエティの広さに驚かされると同時に、個々のユニークさを再確認する機会になりました。
ライアン・ポッター(11年生)
ウィルダネス(野生体験)キャンプ。一日中ハイキングしたあと、やっとキャンプ場に到着し、さあ、夕食だと思っても、家での夕食のように食事が出てくるわけでもなく、コンビニに行って買うこともできません。だんだん暗くなる中で、みんなで頭を付き合わせて食事を準備するのための指示を読み、何をすべきか話し合います。スイス・アーミーナイフを使って人参とジャガイモを切れる人は誰か、仕事を均等に振り分けるにはどうしたらいいか、一つ一つ決めていきます。バックパックの奥底へと姿を消した夕飯の材料を皆が探します。ウィルダネスキャンプでは「協力して成果を生み出す」こと以外に選択の余地はありません。協力して一緒に作業する、それができなければ食べられないのです。「誠実に人や物を大切にする」という教育目標もここでは別の次元の意味を持ちます。誰が夕飯のお替りを食べるかを決めるとき、「誠実に人をいたわる」目標は、疲れて元気が出ないチームメートに多く食べてもらうことで実践できます。それはとりもなおさず、朝キャンプ場をきれいにすることともつながることなのです。
翌朝、リーダー役の生徒たちは、学んだばかりのオリエンテーション・スキルを駆使して、仲間を次のキャンプサイトまでリードします。でもほんのちょっとした手違いで、無駄に体力を使う羽目になったり、ちゃんと寝れないようなところで野宿するようなことになったりしかねません。リーダーは、先生や他のチームメンバーから、知恵を借りたりアドバイスを受けたりできます。それによって正しい選択をし問題解決の糸口をつかめます。しかし、それは求めて初めて与えられること。きちんと聞いて、実行して初めて意味があります。リーダーたる者は、求める時は「効率的コミュニケーション能力」を持って尋ね、アドバイスを受けるときは「責任感を持って学ぶ者」として聴き、実行するときは「分別をわきまえて思考する者」としてリードします。それが成功の秘訣です。
ウィルダネスキャンプのような体験型学習は、CAJの教育目標はただ壁に貼ってあるだけの標語でも宿題の課題でもないことを、生徒たちが身をもって理解できる機会を提供しています。目標達成に向かって段階を経ながら、生徒たちは真のリーダーとなるべく成長していきます。
クリスティーナ・ジョンソン(12年生)
12年生のSWOWでは、生徒たちは日本の歴史を学び、2011年の津波で被害を受けたコミュニティーで奉仕をします。高山とその周辺で活動しますが、生徒たちは石巻ののぞみプロジェクトや女川のめぐみプロジェクトのような団体がどのように多くの家族に希望をもたらし、再建へお手伝いをしてきたかを目にします。この旅行では、生徒たちは実質的な奉仕をコミュニティーで行います。めぐみプロジェクトで着物の糸抜きをしたり、畑でジャガイモの収穫を手伝ったりしますが、どんな小さなことでも、助けを必要としている人にはそれが大きな喜びをもたらすことを生徒たちは学びます。生徒たちはまた、JCGIのクラスで学んだ会津藩校日新館や、会津若松城などの史跡を見学し、教科書だけでは学ぶことのできない歴史を実感することができます。生徒たちが共にこのような経験を分かち合うことにより、クラス内でのつながりを深めるだけでなく、彼らのこれからの人生においても周りの人に奉仕をしたいという思いを強めていくのです。
